体温



澄みきった青空は、今日は見えない。

厚くて重そうな雲が空を覆っているからだ。

そして雪が降っている。


こんな日の俺の機嫌はあまり良くない。


なんていったって寒過ぎる。
動くのがすこぶる面倒くさい。

そんな俺の前で、平助と左之と鉄クンは楽しそうに雪合戦。


元気だなぁ・・・。


つくづくそう思うよ。

そしてそんな事を呑気に思っていた所為か、
目の前に来たモノに反応できなかった。

「うわっ!」
「よっしゃー!新八に命中ーっ!!」

なんとなんと、俺の顔面に雪玉が衝突。
冷たいなぁ、オイ。

「ちょいと左之・・・」
「ワハハーッ!!俺天才だろー!!」
「左之スゲェ!」

俺の怒気のこもった声にも気付かず、
左之と平助と鉄クンは笑い転げていた。

「新八ぃー!悔しかったらお前も・・・ってアダァッ!!」

左之の言葉を途中で切ってやった。

ちょっとむかついたから仕返しってヤツね。
左之の顔に雪玉を当ててやった。

「おぉっ!やる気マンマンか!新八!!」
「あぁ、今からね」
「よぉーし、負けねぇぞー!新八っつぁん!」

そこから激しい雪合戦が始まった。





「疲れた・・・」

最初の気持ちは何処に行ったのか。
ついガラにもなく本気を出してやってしまった。

「うえ〜、さむっ!中入ろっと」
「俺も〜!」

鉄クンと平助はこの冬の寒さに耐えられなくなったのか。
そそくさと中に入っていった。

「はぁ・・・寒いねぇ、確かに」

雪に触りまくった所為か、俺の手は大分冷たくなっていた。
感覚がほとんど無い。

俺ははぁっと自分の手に息を吹きかけた。

「さみーなー、新八ー」
「あー・・・うん」

左之が俺の傍に来て話し掛けた。

俺の手はまだ冷たい。

そんな手を見つめていると、左之が俺の手を掴んだ。

「お前の手、つめてーなー」
「そうー?」

左之の手はほのかに温かさがあった。
こんなに寒いのに何故?

「お前はあったかいネ」
「そうか?まぁ、俺だからなー!」
「頭があったかいからなんだろうか・・・」
「そうそう、俺は全身火鉢人間だぜー!」

やっぱ馬鹿・・・。
俺の言葉の意味を全然理解してない。
そして火鉢人間とはどういったモノなんだろうか。

そんなことを考えていたら、左之が俺の腕を掴んで引っ張った。
引っ張られたと思ったら抱きしめられた。

「・・・左之?」

ぎゅうっと、思いっきり抱きしめられる。
ちょっと苦しい。

「俺火鉢人間だから、手ぇ繋いでるよりコッチの方があったけぇだろ?」

左之が笑いながらそう言った。

「うん、そうだネ」

俺もつられて笑った。

「お前寒がりだろ?だから俺がしばらくこうしていてやるよ」

「・・・アリガトね」



まったく、お前はあったかいよ。

俺には熱過ぎるくらい。



お前と一緒だったらこの寒空の下でも、俺は良い気分でいられそう。















あとがき
うわぁい。初カプ小説だぁい!大好きな左之ぱちだっ!
それにしても、平助と鉄は居た意味があるのか・・・(それは禁句です)。